KiCAD FusionPcb 備忘録
ネットで操作方法を調べつつ作業していたのですが、一部の操作方法を改めて備忘録として残しておこうと思います。
製作する基板は40mm*20mmの2層基板を想定しています。基板製造はFusionPcbを利用しました。本当は4層にしたかったのですが、2層と4層で価格差が大きかったため2層にしました。
安かったら失敗しても試作と言い訳できますし。
■回路図の作成
・Eeschemaを起動
部品を配置して結線していきます。
最近はライブラリにない部品を作成してくれるサービスがあります。
(http://rs.componentsearchengine.com)
フットプリントまで含めて作ってくれます。依頼してからダウンロード出来るまでに数時間から2日掛かりますが、とても便利です。
ただ、ICのモデルは四角形の両端にピンが生えたものになるので、オペアンプなどは三角形の見慣れた形で作ってくれません。
テストパッドなど汎用部品のフットプリントを変更したい場合、該当部品を右クリックして「コンポーネントの編集」→「フットプリント」にて現れるダイアログで選択ボタンを押すと違う形状のフットプリントに変更できます。
今回の場合、これでテストパッドの形状を変更しました。
既にパターン作成を始めている場合、CvPcbとネットリストの生成を再度行ってからpcbnewにて再読み込みを行う必要があります。その時、「フットプリントの交換」の設定を「変更」にしておきます。
・CvPcb(コンポーネントとフットプリントの関連付け)の実行
変更したら忘れずに保存を行います。
・ネットリストの生成
■基板パターンの作成
・pcbnewを起動
外形線を引きます。具体的にはEdge.Cutsレイヤーに図形ラインで線を引きます。(今回の場合は後でVカットで面付けを行う際に、この時の外形線を削除する事にしました。後述します。)
・デザインルール
「デザインルール」→「レイヤーのセットアップ」で基板の層数を設定します。
「デザインルール」→「デザインルール」でパターン幅などを設定します。
今回は2層基板を製作しました。
電源やらGNDやらのネットリストを選択して、ネットリストごとにパターン幅を設定できます。
その他ルールは基板製造サービスのルールを確認して設定します。
今回はFusionPcbのルールで作成しています。
(http://support.seeedstudio.com/knowledgebase/articles/1190056-seeed-fusion)
・キープアウト(禁止)エリアを設定
少なくとも基板の端コンマ数ミリはどの基板製造サービスでも禁止エリアになってるはずなので、ルールを確認して設定しておきます。
・ネットリスト読み込み
「現在のネットリストを読み込む」を押すと確認のボタンが現れた後、ネットリストを読み込みます。
最初に読み込んだ時はかなり時間が掛かります。
読み込まれると全ての部品がごちゃっと重なって配置され、このままでは目的の部品を配置できません。「フットプリントモード」アイコンを選択→適当に作業領域で左クリック→右クリック→「グローバル移動/配置」→「全てのフットプリントを展開」を選択すると重ならないように再配置されます。
・配線する
パターンを作成します。
・デザインルールチェック
未配線箇所がないかチェックします。ネットリストの線が境界と重なっていたりすると見た目ではわかりません。
・シルクの作成
シルクはリファレンスの文字がそのまま反映されます。パッドと重ならない様に配置します。「フットプリントモード」を解除→該当のシルクの上で右クリック→「リファレンス」→「テキストを移動」で配置できます。
高密度な基板だとシルクが入らない場合がありますが、その場合は該当のシルクを非表示にするか削除するしかありません。「フットプリントモード」を解除→該当のシルクの上で右クリック→「リファレンス」→「テキスト編集」→「表示」項目を「非表示」に設定→「OK」ボタンを押す事でシルクを非表示にできます。これは削除している訳ではなく非表示にしているだけです。リファレンスの文字列を削除してしまうとネットリスト再読み込みをしないと戻せないので、非表示にします。
・ガーバー出力
今回はVカットによる面付けを行うためこのままではガーバー出力できません。
面付けしたガーバーを出力するには、一旦プロジェクトを終了させる必要があります。データを保存してKiCAD を終了させ、KiCADがインストールしてあるフォルダ「C:Program FilesKiCadin」の中にあるPcbnew.exeを直接起動します。
「ファイル」→「ボードを追加」で面付けしたい基板データを開きます。適当に配置したら面付けしたい数だけ「ボードを追加」で基板データを追加します。数が多い場合は自動で配置する機能もあります。「表示」→「描画キャンパスをOpenGL(3D)に切替」→1つの基板データを範囲選択→右クリック→「配列を作成」で数と配置を設定してコピーできます。面付けされたデータはネットリストが出てきますが無視して大丈夫です。
Vカットラインを指定しますが、FusionPcbの場合は矢印と文字列でVカットラインを明示する必要があります。Vカットラインは外形線レイヤーに描画します。文字列はEdge.Cutsレイヤーに配置できないので、F.Maskレイヤーに配置しました。最初はDwgs.Userに配置しましたが、FusionPcbに送るガーバーファイル一覧に含まれていないのと、含めようとするとドリルファイルが生成できなかったので。また、Vカットラインは端から端までと制限があったので、念のため一度個々の外形線を削除して面付け後のデータで外形線とVカットラインを再描画しました(そのままでもいけるのだろうか)。
下記URLはFusionPcbの面付けルールです。
(http://support.seeedstudio.com/knowledgebase/articles/1804867)
ガーバーファイルの出力は「ファイル」→「プロット」にて行います。FusionPcbにKiCAD用の設定が記載されているのでそれを見て設定します。
(http://support.seeedstudio.com/knowledgebase/articles/1187731-kicad)
出力されたファイルの名前を統一し、拡張子を変更(.drl→.txt、.gm1→.gml)して、まとめて圧縮してアップロードすれば完了です。Vカットを入れる場合は基板厚を1ミリ以上にする必要があります。
面付けされた基板データは後からPcbnewで再度開けないので面付け以降は一気に作業する必要があるみたいです。
以上